オオサンショウウオの交雑個体を展示します
四国水族館は、2024年4月27日(土)から、本館棟2階淡水ゾーン渓流の景でオオサンショウウオの交雑個体を展示開始します。
オオサンショウウオの交雑個体
展示するオオサンショウウオは、チュウゴクオオサンショウウオとの交雑個体で、京都大学の西川教授にご提供いただきました。オオサンショウウオは国の特別天然記念物で、主に西日本で生息する世界最大の両生類です。四国内でも発見例のある本種ですが、過去に人の手で持ち込まれ野生化したチュウゴクオオサンショウウオとの交雑が各地で進み、在来種が減っているという背景を多くの方に知っていただきたいと思い、このたび展示開始することとなりました。現在四国では交雑個体の発見はされていませんが、「そう遠くない未来に、もしかしたらこんな景色になるのではないか」という危機感を込めて、2階淡水ゾーン渓流の景に展示します。
オオサンショウウオに限らず、人の手で持ち込まれた外来種が在来種の保全を脅かしている生きものは他にもたくさんいます。人の手が介入することで、良くも悪くも生物多様性に影響を与えることを改めて心に留めていただきながら、ご覧いただければ幸いです。
【オオサンショウウオ交雑個体展示について】
- 展示開始日時:2024年4月27日(土)9:00~
- 展示場所:本館棟2階 淡水ゾーン 渓流の景
- 展示数:3個体
【オオサンショウウオ】※当館では展示していません
学名:Andrias japonicus
日本にだけ生息し、最大150センチメートルにもなる。河川の上流から中流域に生息するが、市街の水路などでも発見されることもある。茶褐色の体色に、小さめの黒い斑紋がある。
【チュウゴクオオサンショウウオ】※当館では展示していません
学名:Andrias davidianus
中国の河川に生息する。日本へは食用等の目的で輸入されたものが、河川へ放流されたか、逃げ出して交雑の原因となった。オオサンショウウオと比較すると、吻端が扁平で、体には大きめの斑紋が入る傾向がある。
【交雑個体オオサンショウウオ】
在来種に比べて体が大きくなる傾向があり、食欲旺盛で繫殖力も強く、在来種の繁殖場所を追いやっている。体色は個体によって変異が様々で、在来種との見分けも困難である。